コラム 第16回

鈴木色とはなにか

日本代表監督に就任し、早くも1ヶ月半がたった。

柔道界では、すでに2024年パリオリンピックに向けた代表選考が始まっており、
「日本柔道が勝つためにはどうしたらよいのか」
「日本柔道として成功するためにはなにをしたらよいのか」
ということばかり考えている。
視野の広さも、考える材料も、コーチ時代とはガラリと変わった。

私にとって、日本代表監督は、決して憧れるものではなかった。
しかし、9年前に日本代表という組織にコーチとして入ったことで、自然と日本柔道というものを意識するようになった。
井上前監督には「桂治、次はお前だぞ」と言われていたし、その頃には「次は俺しかいない」とも思っていた。だからこそ、その名に恥じない監督にならなければ、と自然と覚悟が決まっていった。

9年間、前監督のもとで、強くなるための考え方を間近で見てきた。
井上体制は、前監督が一人つくりあげたものではなく、さまざまなスタッフが意見を出し合うことで築かれたものであり、それは、私が監督になっても同じことだ。
なので、これまでのやり方を大きく変える考えはなく、よい部分を引き継ぎながら、私なりの考えを「鈴木色」として取り入れていけたらと思う。

では、「鈴木色」とはいったいなんなのか。

今は、漠としていて自分でもまだわからない。
それが問われるのは、おそらく、なにかしらの困難や課題にぶちあたったときで、そのときにどう考え、どう行動するかが、「鈴木色」として加わっていくのだと思う。

「パリオリンピックで全階級金メダル」という大きな目標に向けて、いまは正直、できてないことだらけで「焦り」の気持ちの方が大きい。しかし、コーチ・スタッフの力を借りて、一歩ずつ進んでいけたらと思う。

 

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