コラム 第10回

柔道界におけるジェンダー

近年の#MeToo運動や政治家の女性蔑視発言の流れで、スポーツにおけるジェンダーが取り上げられる機会が増えているように感じる。

柔道界では、過去にさまざまな問題が起こり、その都度改革を行って、ジェンダー問題にも早くから取り組んできた。全日本柔道連盟の組織編成をみても、女性役員の割合は他競技と比較しても多いほうだと思う。

また、前会長の時代から、柔道経験があり、かつ企業で活躍している外部有識者を積極的に連盟に誘致しており、風通しのよい組織へと改革を行ってきた流れが現在も受け継がれている。2月には、全柔連の事務局長に株式会社メルカリ社外取締役の高山健氏が選出されたことが、ニュースでも取り上げられた。

女子選手の引退後のキャリアという点でみても、女性の活躍は近年目覚ましい。

コマツの女子柔道部に、ロンドンオリンピック78kg超級の銀メダリスト杉本美香氏が就任するなど、実業団の女子柔道部の監督に女性の抜擢が相次いでおり、女性アスリートが引退後に活躍できる場所が増えている。
女性が監督になることで、技術指導面だけでなく、健康管理という面でも、たとえば月経をはじめとした女性特有の体のコンディションについてコミュニケーションを取りやすいといった利点もあるだろう。

もちろん、女性だからいい、男性だからいいというわけではない。
監督には、指導力、判断力、マネジメント力などさまざまな能力が求められる。

女性の柔道人口の増加とともに、そういった多様な能力をもつ女性の活躍が増えていることは、とても喜ばしいことだと思う。

柔道をやっている人たちは、もともとエネルギッシュだが、
女性のエネルギーはやはりすごい。
男子も負けていられない!

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